第17回 福澤諭吉研究会

今回の研究課題は、
第5章 続・一国の智徳
明治維新が成功した本当の理由は、何か。
攘夷論は、ただ革命の始まりであって、これは、事の近因に過ぎない、智力全体の目指したところは、はじめからここではない。その目的は王政復古でも、攘夷でもない。復古攘夷の説を先鋒として、旧来の身分重視の専制政治を打倒したのである。従って、事を起こしたのは皇室ではないし、幕府が敵だったのでもない。智力と専制の戦争であって、この戦争を企てたその原因は、国内全体の智力だったのだ。これが、事の遠因である。
第6章 智と徳の違い
私徳について論じた場合には、西洋人に優っているとは言えないまでも、そんなにひどく劣っているわけではない。
日本人の智恵と西洋人の智恵とを比較すれば、学問技術商売工業、最大の事から、最小の事に至るまで、一から数えて百、千に至るまで、ひとつとして日本人が西洋人に優るところはない。
智の働きは重く、徳の働きは軽く狭い。
されど、徳は、その影響力の範囲が、非常に広い。智恵は、徳の輝きを増すだけでなく、徳を保護して悪を避けさせるものでもある。
徳の本分はあくまでも自分自身を修めることにある。
第7章 智徳を行うべき時代と場所
人智が発達すれば、一段と勇気が生じる。
徳は、文明が進むに従って、次第に力を失うとはいえ、別に世の中の徳の分量が減ったわけではない。文明が進むに従って、智徳ともに量が増している。「私」の領域が拡大されて「公」の領域となり、世間一般に公智公徳の及ぶところが広くなって平和な時代になる。
以上、各章のポイントを拙い私なりにピックアップしましたが、平易そうに見えて、結構難解な内容も多く、我々参加者も悩ましい限りでした。
小林清司
